当院では日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医の院長が全例を担当します。
私は消化器外科の出身ですが、入局当時に先輩医師から「大腸内視鏡が出来るようになれば一生困らない」と檄を飛ばされ以降研鑽を積んでまいりました。
大学病院では消化器内科と比較すると外科は検査件数がやや少ないので関連病院に早いうちから出向させて頂き、内科の内視鏡専門医の先生に指導頂きながら集中的に検査をこなし研鑽してまいりました。
内視鏡は最新のオリンパス社の器機を使用しております。腸に負担が少なく挿入が可能であり、またNBI(特殊な波長の光を組み合わせた観察や画像処理)によってこれまでわかりにくかった病変も発見する事が可能となってきました。
内視鏡は他にも富士フィルム社やペンタックス社がありますが、私は初めて内視鏡を触った時からオリンパス一筋で他を使用したことは一度もありません。
最も高価で大変ではありますが(笑)そこは譲れず一番使い慣れた内視鏡を当院でも一貫して使用します。
これまでの下剤は2l飲むのが普通ですが約2/3(状態によっては半分くらいで完了)程度で済む前処置薬(モビプレップ)を使用しています。
私も検査を受けるときはこのモビプレップを飲みますがいつも1lくらいで前処置は終わりますし、味も「梅味」でさすがに「すごく美味しい」とは言えませんが(笑)、個人的には飲むのに全く苦にならない味付けです。
それでも下剤は舌に合わない、という方には「ビジクリア」という錠剤を用いた下剤をお勧めします。水やお茶(緑茶や紅茶など)で錠剤を少しずつ飲む方法です。(ただし5錠ずつ10回に分けて飲む必要がありますので、モビプレップより時間がかかります)
一般的に大腸カメラでは腸を空気で広げて観察するため検査中や検査後お腹が張って辛くなる場合も少なくありませんでした。
当院では空気ではなく炭酸ガス(空気の数百倍吸収されやすいのでお腹が張りにくい)送気システムを使用し検査の負担を減らします。
内視鏡を挿入する際には丁寧に腸をアコーディオンの様に折りたたんで短縮し、痛みや張りをなるべく少なくする方法で検査しております。
また先端に透明なフードを装着して腸のヒダを優しくめくるように丁寧に挿入します。
負担の少ない挿入方法かつ鎮静剤(静脈麻酔)を用いて寝ている間に大腸カメラの検査を行います。
点滴をまず取らせて頂き、年齢、体重や状態に合わせて眠くなる薬(鎮静剤)を必要十分量投与いたします。
半個室(ロッカー完備)のリカバリールームで着替えや検査後の休息がとれるようにしております。
カーテン等で間仕切りされている施設が多いとは思いますが壁でしっかり間仕切りしてありますので安心して着替えや休息をとれます。
胃カメラと大腸カメラを同時にできれば食事の制限等も1日で済みます。
なお状態によって同時に行えないケースもありますので、同時に出来るかどうかは事前に外来で医師が判断し説明いたします。
大腸カメラ検査は下剤を飲んで腸をきれいにしてから大腸(直腸・S状結腸・下降結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸)をくまなく観察する検査です。
検査中に病気が疑わしい部分を見つければその場で粘膜組織を採取し診断も行えますし、ポリープを発見した場合にも(大きさによりますが)その場で切除し治療まで一度で完結できます。大腸がんの多くはこのポリープが大きくなり悪性化することでなると言われておりますので小さなポリープの段階で切除し治療することが大変重要となります。
最近大腸がんは高齢化や食生活の欧米化等によりこの数十年で約7倍に増加し、女性においてはがんの部位別死亡率の第1位に増加してきました。大腸がんは早期発見して治療されれば95%以上が完治するといわれています。しかし、早期のうちはほとんど腹痛や血便などの自覚症状はありません。早期発見のために、40歳を過ぎたら一度検査を受けることをお勧めします。
がんやポリープだけでなく慢性的な大腸の炎症を起こす病気も見逃せません。下痢や便秘が続いたり、下痢と便秘を交互に繰り返す場合は単に腸の調子が一時的に悪い場合もありますが、一方潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が背景にあることもあります。これらの疾患は大腸内視鏡で粘膜を観察した上で細胞をつまんで病理検査を行うことで初めて診断が出来ます。「私は昔から腸が弱い体質なだけ」「便秘は体質だから仕方が無い」と決めつけずに、いきなり検査とも言いませんので(笑)お気軽にご相談下さい。
・大腸カメラの場合は胃カメラと違い事前の下剤の内服や食事の若干の制限などの準備が必要ですので原則予約の検査となります。一度事前に外来を受診をされて問診、診察をおこなってから検査を後日予定・予約します。
その際に、必ずお薬手帳や直近の健康診断等のデータがありましたら一緒にお持ちください。
※抗凝固剤、抗血小板剤(血液をサラサラにして止まりにくくする薬)の服用されている方は必ずお知らせください。
組織検査、ポリープ切除を行う場合、粘膜の表面からは多少の出血があります。通常はその際の出血は自然に止まります。しかし抗凝固剤を内服をされている場合は、出血が止まりにくかったり処置検査後数日経過した後に急に出血する可能性が通常より高くなります。
日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは、組織検査だけならそれらの休薬は原則必要ないことになっておりますが、ポリープを切除するとなると内服薬の種類によって一定の休薬期間を設けないといけない場合があります。ただし大事な薬を止めたことで心臓や脳の病気が出ることも避けなくてはいけませんので主治医の先生に一時的な休薬が可能かお伺いを立てる(紹介状でのやりとりなど)が必要になる場合もあります。
・消化の良い食事(素うどん、おかゆ)を摂って下さい。野菜、キノコ、こんにゃく、豆類、種のある果物や野菜(キュウリやなすも含む)は避けて下さい。
これらは殆ど消化されずに大腸までやってきます。刻んだから大丈夫、ではありません(笑)。我々は検査中に小さなネギやナスの破片、その小さな種に苦しめられることがあります・・・。
・朝食は摂らず、検査5時間前から大腸をきれいにする下剤を数回に分けて飲みます。(原則的には自宅にて飲んできていただきますが、高齢者や遠方の患者さんにつきましては院内での下剤内服も考慮いたします。ただし恐れ入りますが部屋が非常に限られておりますので事前の診察時にご相談下さい。)
下剤内服後より排便が促され、徐々に固形の便が少なくなってきます。最終的に薄い黄色の液体のみとなった状態(通常飲み始めて3時間程度)が検査可能の目安です。
検査時間の15分前までに来院していただき、検査着に着替え待合室でお待ち下さい。鎮静剤を使用する方は、当日の車・バイク・自転車等での来院はおやめください。順番になりましたらお呼び致します。検査室にはいったら、鎮静剤を投与し検査開始となります。検査は10分~20分前後で終了します。
鎮静剤は迅速に効果が無くなってまいりますが、そのままストレッチャーでリカバリー室へ移動し念のため1時間前後休んでいただきます。
しっかりと覚醒されましたらお着替えをして頂き、診察室で写真を見ながら結果説明を致します。
検体検査(病理組織検査:粘膜をつまんで顕微鏡で詳しく調べる検査)をされた方やポリープを切除された方は結果が出るのに約1週間かかりますので再診の予約をして検査は終了です。お疲れ様でした!
当日は飲酒や運動は避けて下さい。特にポリープを切除された方は後出血(数日してからポリープ切除部位より出血すること)の可能性も稀にありますので、検査後1週間は運動、飲酒、刺激物の摂取、長時間の移動(出張や旅行を含む)は控えて頂くようお願いしております。